詩人
意味のなさそうな言葉の羅列
それでも意味を貫き通す、ということが彼ら詩人の腹芸なのです
心象の灰色を語ったと思いきや
途端に色とりどりのグミを取り出してきたりしまして
(ほんとうわけがわからないのよ)
気が触れたかのように連なるモチーフやシンボルたちが僕らを謀る
そんなふうに弄ばれる読者を見て暗い喜びに浸るのだもしくは
知ったふうに心酔する僕らを心の中で実に愛おしく撫で繰りまわしたり
お洋服を着せてあげたり
口許についたケチャップを拭ってあげたりすることが楽しいのだ
彼ら
そんな僕なども彼らのいじめに加わろうと
必死で意味のない言葉を
意図の外から捏ね繰り回したり回りくどく誤魔化したりして
そのうち書くことがなくなって
面倒だから目に入るものみんな詩だということにしたのだ
(2019/1/26)