2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

詩にならない

午後一時の太陽 は こんなにもきいろかったのだろうか 蜂蜜色の光が壁にかかった布団を舐めて 遠くの空は春のように霞んで 思ったより低い陽光に僕は目を細めて 肌に感じる涼しげな空気だけは 冬 多くの人々は屋内で仕事をしている 女の人が外を出歩いて買い…

マクドナルド

食べてる 噛んで食べてる 食べてる この世の憎しみ 私 パティとチーズとケチャップ 唇のヘルペス 噛んでる 噛んで食べてる 忘れようとする 忘れる なにを なにかを 嫌な気持ちもない なにかを なにを 忘れる? 忘れようとする 嫌味 噛み締める 軟骨 バンズ 1…

「死にたい」という語りについての小片

死にたいじゃなくて消し去りたい 過去とそれを持つ自分の存在ごと 「死にたい」と何度も語ったことのある人には、ふと「けれど『死にたい』んじゃないんだけどな」と考えることがあるだろう。たとえば、「死にたい」のではなく、自分の"悪い部分"を腑分けし…

死者から生者への“レクイエム”

「死者から生者への鎮魂」とは果たして可能なものなのだろうか? まずは「生者への鎮魂」という部分である。鎮魂とは、荒ぶる魂をおさめようと働きかける儀礼のことだ。未だ静かならず静まらぬ魂を、鎮める営為を我々は鎮魂、と呼ぶ。 多くの場合、それが取…

(無題のドキュメント)

簡単にいってしまうとですね、僕ら若者世代はみんなロストジェネレーションに憧れているのです。僕の周りの人たちってみんな偉いですよ。人や時代のせいにしようという人は誰もいなくて。人はみんな自分にできることをおおよそ全部きちんとやって、若いのに…

肉体と精神、もしくは物質と表象に関する断片

精神は全身に遍在している。 当然だ。意識の依り代は神経なのだから。 多寡疎密によって、精神がより多くあるかより少なくあるかが異なるというわけだ。 情報処理器官たる頭脳はもっとも精神に満ちており、下唇や手や舌先には比較的多くのそれがある。反対に…